「さん!」
「あ!山崎!」
彼女は本当に危なっかしくて困る。だってそうだ。目を離せばすぐに危ない危ない!
ほら!今だって彼女は何を思ったかこれ以上に無いくらいに窓から乗り出している。
ここは屋根裏なんですよ!
「何してるんですか。」
「今ね、ボール落としちゃったのよ。」
「ボール?」
「うん、ボール。」
ボールって、え?あの跳ねるボールですか?さっきも言ったけど此処は屋根裏なんですよ!
ボールは外で元気に跳ねるものなんです!
「なんでこんな所で・・・」
「うん、わかんないんだけどね、此処で遊んでたかったの。」
「とにかく、危ないですよ。あんまり乗り出しちゃ。」
「うん。」
さあ、降りましょう。
そう言って手を差し出した瞬間、ぽ、タン!
「・・、、さん・・?!」
何が落ちたかって?一般で言う涙っていうしょっぱい水です!
これもまた一般にですけどね、このしょっぱい水は悲しいときか嬉しいときにしかでません!
ねえ、彼女は何が嬉しいんでしょうか?
「どうしたんですか?」
「お昼に、塩水飲み過ぎちゃったみ、たい。」
そうですか、塩水を。
・・・嘘ですね。
本当は判ってるんです。俺。
さん、副長と別れたんでしょう?知ってます。
さんは急にまた窓から身を乗り出した。
え、?どうしたんですか?
「ほら・・・また!ボールが落ちた!」
・ ・ ・ ・ ・ !
ああ、本当だ。
さんの目からしょっぱいきらきらしたボールが次々落ちていく。
ぽろぽろぽろ。
「さん、」
「なに?」
「拾いに行きましょうか、ボール。」
「・・・うん。」
そうですよ。一緒に拾いましょう。あなたの落としたボール!ひとつ残らず!
彼女の手を僕はそっと引いた。
ボールは地面に消えた
-----------------------------------------------
何を書きたかったの!ちょっとあたし!
05.