ドリーム小説









01




























そうですね、あれは今朝のことでした。
わたし、はいつもどおり寝起きの悪い隊士さん達を起こしに回っていたんです。
そうしたら、いつも早起きの副長がまだ起きていないことに気がついたんです。
あれーおかしいなー?とかなんとか思いながら一番近い部屋の副長を起こしに行ったんです。
ここからがおかしな話の始まりなんですよ。







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「ふくちょー!」


もうすぐ春だっていうのになんて寒さだろう。廊下の冷たさが足の裏を襲う・・!(靴下2枚履いてるのに....!)
部屋の中から返事はない。あれ?昨日副長はお酒は飲んでないよな?おかしいな、いつも早起きなのに。
それにしても寒い。この時期の水仕事は大変だから朝ごはんはみんなで食べて欲しいんですよね。
もういいですか?入っちゃいますよ?わたしはちゃんと言いましたよ?
そう思い襖をソローッと開ける、




ガラッ






「ふくちょー、朝ですよー」


中は薄暗くて部屋の真ん中にある布団が微かに動いてる。まだ寝るつもりですかコノヤロー・・・。
何回呼んでも返事すらないのでどうしようと一瞬考えたけれどもうこれは強行しかない。
副長が悪いんですから。もう朝ですから。わたし忙しいんですから。言い訳はいくらでもある。
あれ?なんでわたしが言い訳しなきゃいけないんだ?(ミステリー!)(副長が悪いんじゃないか!)
ぐだぐだ頭の中で色々考えながら布団に手を掛ける。



よし。腹からだ。腹から声を出すんだ。


バサッと勢いよく布団をあげて、


「ふくちょーーー!あっさですよォォオオオオオ!」
















「うるせーな・・・・」


「ん!?」


「もう少し静かに起こせねーのかよ。」


「ん!?」



いつも通り目つきが悪くてぶーぶー文句ばっかり言ってる副長。
ちくしょうちゃんとあたしは静かにも起こしたんだ。段階を踏んだんだ。

でも今はそこじゃない。問題は。全然違う。








「ぼ、ぼく・・・何処のおうちの子?」

「あ?なに言ってんだお前。」

「え、なにこの子口悪い。」

「あぁ!?」

「えーと・・・迷子?で保護されたとか?」

「はあ!?お前マジで頭大丈夫か?」

「いやいやぼく、お姉さんを馬鹿にしちゃあダメだよ。」

「お名前は?」

「はあ!?」

「いいから、お名前は?」

「てめ、ナメてんのか!?」

「ぼく、おうちに帰れなくなっちゃうよ?お名前は?」

「てめえいい加減にしろよ。俺は土方だ。わかったかコノヤロー。」

「え!?」

「なにが不満なんだよ。」

「え!?え!?」

「あぁ!?」

「ぇええええええええええええええ!?」













布団にちょこんと座っているのはぶかぶかの黒い着物を羽織った男の子。
小さな、男の子。
ふくちょーに、そっくり、な・・・・・(・・・・!)(口も悪い・・・!)(ついでに目つきも・・・!)






















襖をあけるとそこは不思議の世界でした。

























がしっ!と男の子をしっかりと掴む。






「!?」

「副長に限って・・まさか、まさか・・・・!」

「おめー何言ってんだ!?」






そうよ。そんな、副長、副長・・・・!






「不潔ですよぉぅおおおおおおお(副長!)!!局長ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」

「うおおおおおおお!?」





この小さな土方と名乗る男の子を抱き上げて勢いよく走り出す。
そうよ、これは、これは、・・・!
局長!困ったときはGo局長!・・・・!(ありえな、い!)







「!?!?うおおお!?なにすんだてめー!」

「局長ォオオオオオオオオオオオ!!!」









ドダドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ!!!










「局長ォオオオオオオオオオオ!」(響け!!私のシャウトォオオオオオオ!!)

「話をきけぇえええええええええええええええええ!!!」













これだけうるさく廊下を走ってるんだから他の隊士達がなんだなんだと廊下に出てくる。
でもそんなことは関係ない。あ、今誰か踏んだ・・!(ごめんなさ・・!)
局長室はこの次の襖だ・・・!






スパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!









「俺は不潔じゃないぞぉおおおおおおお!!ちゃん!風呂にはきちんと毎日入ってる・・!
この匂いは取れないんだ!オッサンの悩みなの!」


















急に局長室から近藤さんが飛び出してきたもんだから・・・・!!

わ、わ、わ!!と、止まりませんよ!(なにせ靴下2枚履いてるからね!)(すべるのさ!)
あああああああああああああああああああ!!!!






「おい!!止まれ!止まれ!・・・!!ばかやろぉおおおおお!!!!!(てゆーか離してくれええ!!)」

「ぎゃーーーーーーーーーーーー!!!!!(靴下は明日から一枚にしまぁぁぁあああす!!)」






ゴッチーーーーーーーーーーーン!
















おはようございます局長。










































「アイター。」

「アイタタアー。」




とりあえず局長は頭と腰を強打。わたしは頬と腕を強打。お互い山崎君の丁寧な手当てにより一段落着いた。(ありがとう山崎くん!)
私の腕の中におさまっていた土方さんによく似たお坊ちゃんはさすがは子供。怪我ひとつない。そして肌は陶器の様だ。(余談)(く、くやしい・・!)






「で、ちゃん、その子は・・・」






局長室で局長とわたしは向き合うように座り、わたしの少し後ろで山崎君が救護箱を膝に乗せ座っている。
そして局長が指差しているものはわたしの膝の上で「はなせ!この馬鹿!まな板おんな!」とかぎゃーぎゃー騒いでる。(とりあえず足をキュッとつねってやったら静かになった。)(・・・)







「朝、副長の布団の中に・・・・」

「「え・・・!?」」



局長と山崎君が驚いたように声を上げると襖がガラリと開き、この手のはなしは大好きそうな人がアイス片手に立っていた。



「ありゃー、土方さん。やりますねィ、どこでこんなガキこさえてきたんだか。」

「そ、総悟・・・!というと・・・!?(ま、さ、か・・・!トシに限って・・・!)」

「そうでさァー。間違いねえ、こりゃあ土方さんの隠し子でさァ。」

「「「ぇぇえええええええええええぇええ!?」」」

「おいこら!総悟!てめえなにわけのわかんねえこと言ってんだ!」

「ほー。俺のこと知ってんのかィ。で、お父さんはどちらに?」

「ぁあ!?なに言ってやがんだ!!」



そういって土方Jr.(仮)は勢いよく沖田隊長に向かって走っていった。


「あ、コラ!」


止めたのにも関わらずそのままグーで殴ろうとする、けど、だって、身長からして・・・ポスッと可愛い音の後に土方Jr.(仮)の拳は沖田隊長の足にヒットした。(やっぱり)




「おー、いい拳じゃねェか。」

「・・・・・!?」



土方Jr.(仮)は口をパクパクさせて自分の拳を見つめてその後沖田隊長を見上げてさらに口をパクパクさせている。(か、かわい・・!)
そして周りをぐるりと一周みまわして言葉にならない悲痛な叫びを上げた。

















「何じゃこりゃあああァああアァァぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」





















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さてさてはじまりました。ベタですよォ〜!ベタですよォ〜!(黙れ


06.2.28