「アリエナーイ。」
























































「ふくちょーってそーいう趣味だったんですね。アリエナーイ。」




「おいてめえホントにやらせんぞこら。」
















いやー。いやいや。これなしかありか言ったらなしでしょう。

うん。ないない。昨日、総悟と一緒に副長の部屋にマヨネーズを撒き散らして遊んだんですね。ハイ。

それから副長の私服の着物を女中さんから拝借して中にだんご虫をいっぱいちりばめて(あら素敵!)おいて、

その後副長のごはんにちょこーっと(ほんとちょこーっとね。)わさびを混入させておいたわけですよ。



まあーそしたらこの人。あ、副長のことですけどね。呼び出しまして。あたしと総悟を。





















「まーまあまあ。そこに座れやおふたりさん。」

















副長はふーと口からもくもくニコチンを吐いている。あ、わっか。













「ちょっと副長、知ってます?副流煙って主流煙より遥かに身体に悪いんですよ。」



「ほーお。じゃあお前等死ぬか。」



「げはっげへっ・・・!」



副長は今度はあのニコチンだらけの白いやつをあたしの顔に吹きかけてきた・・!げへ!タバコくさっ!



「土方さん。これでがガンにでもなったらアンタのせいですゼィ。」



「そーだそーだ!(あたしにだけなんてズルイぞー!総悟にもかけろー!)」



「よしお前等黙れ。吊るすぞ。庭に。」



「わー!こわーい!総悟どうする?吊るされちゃうよー。」



「そいつァおっかねェ。俺ァ今から市中廻りなんでね。、がんばりなせェ。」






ポン、と肩に手を置かれた。おいちょっとお待ち。え?市中廻り?

ちょーっと待て待て沖田君。キミ、そーゆうキャラだっけ?あれ?






「ちょっ、と!待て総悟!」



「なんでさァ。俺には町の平和を守るという大切な使命があるんで早くして下せェ。」






おい!あんたそんなキャラじゃないだろ!なにが町の平和だ!

お前この前駄菓子屋のアイスの当たりくじ偽造してただろ!

ばかっ!あれ犯罪だぞ!バカッ!!

え?ちょっ、ちょっ、ちょ!「それじゃァ。」じゃねえだろ!

おい!待て!こら!・・・え、ま・・・!待って・・・!待ってください!















「待っ・・・!」

















がしり。






そんな擬音がぴったりと合うくらいにがっしりと腕を掴まれた。ええ、あ。ハイ。彼です。腕を掴んでいるのは。











「おめーは今日オフだったなァオイ。」



「はい(あちゃー)」



「よーしまあ座れ。」



「はい(あちゃー)」



「じゃーあ吊るすか。今からでも。」



「アリエナーイ。」



「ふくちょーってそういう趣味だったんですね。アリエナーイ。」



「おいてめえホントにやらせんぞこら。」











よく考えて!吊るされるなんてありえないでしょ!何!?吊るすって・・・!紐!?ロープなの!?

まさか部屋の隅にある縄跳び(な・ん・で)で吊るす気なの!?この殿方は!








「副長、吊るすって逆さまにですか?」



「そうだな。頭は下だ。」



「・・・ふくちょー、よく考えてください。よーっく。」



「あ?なんだ。」



「コレを見てください。」









自分の履いている隊服のスカートを指差す。








「それがどうかしたか。」



「ええ、大問題です。よく考えてください。あたしを吊るすんですよね?逆さまに。」



「あーそうだな。」



「そんなことしたらもーあたしのスカートはベンベロリンとめくれてパンツが丸見えになってしまいます。それはマズイでしょう。ほら、屯所って男だらけじゃあないですか。盛りの。そんな彼等にちょっと刺激が強すぎると思うんです。」



「そーだなー。確かに盛りの男ばっかりだな。」



「ですよね!」



「まあでもお前には興奮もなにもしねーから大丈夫だ。」



「!!(このやろ・・・!)」









もーあれだ。あれ逃げるしかない。逃げるしか。だって吊るされるなんてありえないもの。

頭に血が上って死んじゃう。いや。パンツ丸出しのまんま死ぬだなんて。絶対に嫌よ。

そうと決まったら逃げるしかないでしょう。ほら。

副長にバレないように足に力を込める。よし、よしよしよし・・・!行くぞ・・行くぞ・・・!




















だっ!!!!













がしり!ドチーン!バチッ!!





















「いったあああああああああああああ!!」



「オメーの考えてること位わかってんだよバカ。」













転んだ。腕を掴まれそのまま。そして一気に

顔を強打した。いてえぇぇぇぇえええええ!

ばか!この土方!副長だからって調子に乗ってんじゃねえよ!このマヨラー!

顔は女の命なんだぞ!わかってんのかこのマヨラー!











「・・・・・・・・」



「オラ、立てや。」



「・・・・・きゃ・・・」



「ああ?」



「キャァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」



「!?(なんだこいつ・・・!)」



「助けてぇぇぇぇぇええええええええ!副長やめてくださあああああああああい!」



「はあああ!?!?!?」



「だれかああああああ!副長が・・!副長があああああ!私を無理やりっ・・・!」



「おめええええええ!何言ってんだあああああ!」



「きゃああああああああ!やめてえええええ!!!!!(もーどーにでもなれ!)」














ばたばたばたばたばたばた













この声を聞いてなんだなんだと隊士達が集まってきた。













スパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!




















「トシィィィイイイイイイイ!なにしてるんだああああああ!」



「局長ォォォオオオオオオ!!助けて下さいぃいいい!」



「おめー!!」



「副長が無理やりわたしをっ・・!わたしをっ・・!」



「ト・・・トシ・・・!お前・・!」








「副長!見損ないました!!」



「最低ですよ!」



「このマヨラー!」










副長を見る目がみんな冷たい。GOGO!それでいいのさ隊士達よ!(おほほほほほ!


















「待ておめらあああああ!」

































































































それからしばらくみんなの副長を見る目が変わりました。
だから女の子をつるすなんて






















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吊るされるのってキツイ・・・!




06.2.3