ねえそういう顔しないでよ、こっちまで悲しくなるよ。でも今まで雲雀くんと一緒にいたのが嘘だったんだって言われたら私もっとショックだよ。きっと体中バリバリーってすごい電気が流れたみたいに一瞬にしてぱすん、って情けない音出して頭が簡単におかしくなっちゃう。





「ねえお願い、なんか言って?」

「ひばり君、何か言ってくれないと、あたし、」






泣いちゃうよ。悲しいんじゃなくて、寂しくて、泣いちゃうよ。ねえ聞こえてる?おーい、おおい、このままじゃあたし泣いちゃうよ?ギュッて抱きしめてくれたこととかきスしてくれたこととかねえ、好きだよってあれ全部思い出しちゃった、やだ、どうして、こんなとき、に、
まるで嘘だったみたいじゃないのいい思い出だったって、だったら今これを思い出すのはおかしい。だって私の全部は嘘じゃないんだから。









ごめんね、僕は初めて自分が悪いと思ったよ。こんなの初めてだ。ねえ、誰でもよかったんだ。そう言ったら君はどんな顔をする?いやだな。考えたくない、
はじめてはただの気まぐれで、誰でもよかったんだ。そうしたら、君になった。それで、君と一緒にいたらどんどん暖かい何かに飲み込まれていくようで怖くて、すごく不思議な気持ちになった。ごめん、きっとこれ以上一緒にいたら、僕はもっとひどいことを君に強いると思う。期待させちゃう、なんていうのは自惚れ?そんなことないよ。事実だ。







あたし、君が好き、
僕、君が怖い、
あたしは、貴方を愛してる。キスだってしたい。
僕は、君を愛しているし、キスだってしたい。
だから、一緒にいたい。
けれど、一緒にいられない。
私はどんな風でも君なら受け入れる。約束できる。
僕は君に始まりから嘘をついたから、それがもう少しまじめなものなら僕は、君と約束できたかもしれない。
好き好き好き好き、お願い、好き、
愛してる、?うん。そうだ、僕は君が大切だから。だから、バイバイ。








雲雀くん、私は君がだいすきだよう。キスだっていっぱいしたいし、手だって強く握りたい、すきすきすき、


さん、僕は君がだいすきだ。キスだっていっぱいしたいし、手だって強く握りたい、すきだよ、ごめんね、




僕がもう少しだけ最初の始まりに嘘なんかつかないで、あのときあんな風に誰でもいいなんていう出会い方をしなかったら僕たちはきっと結婚しただろうと思う。馬鹿みたい。僕がもう少しまじめだったらよかったんだ。
好きなら一緒にいればいいじゃないか、ねえ、そういう風に自分のことを考えられたならそれでいいのに。どうして僕はこういうところでだけまじめなんだろう。


色々なことが重ねあってうまく矛盾しあって、それでうまくいかなくなる。ホント、うまく矛盾してるよなあ、
とにかくだ、今僕が言えるのはこれだ、


さんを愛してる。


ああ、虚しい。僕がもう少し、まじめだったらよかったのに。そうしたらさんを力いっぱい抱きしめてそれから、愛してる、何度もそう言えたのに。どうしてだ、喉がすごく、すごく渇いてきた。





矛盾少年真面目クライシス

061006