あーもうばかばか。このばかちん!泣くな泣くな、無いちゃだめ!お願いだから止まれー!はい!いっせーの!やーよかったー治まった!・・・なんてわけあるかい!ちくしょう!だめだめお願い!堪えて!さあー息を吸って!ひっひっ、う、うわ、やばい!なんか余計、落ち着こう落ち着こう!大丈夫だから!お願い!あと十五分でいいから普通の顔でいさせて!う、う、あ!す、すみません!なんかちょっと調子乗りました!はい!あのー十分でも充分ですごめんなさい!だからお願い!普通の顔でいさせてください!ああ〜!この前あれですか!調子に乗ってケーキをみっつも食べてごめんなさい!ご飯粒を残してこめんなさい!お米に宿る七つの神様どうかどうかあのときの事は謝ります!ごめんなさい!あれ!?でも待って?一粒に七人の神様?・・やっべーやっべーよ!あれ五粒は残してた!ってことはごしち三十五で三十五人の神様!?ひー敵いませんて!いくらなんでも三十五人には敵いませんて!ごめんなさいごめんなさい!もうスライディングでもジャンピングでもいいです!暑いお湯に入れられるのも45度くらいまでならがまんしますだからどうにかしてください!あーもーちっくしょー泣くなばか!





「ひ、ばりくん行ってらっしゃぃ、!」

「ああ、」

「あのー、ね!体とか、気をつけてね!」

「うん。」





うわーうわーうわー!おいおいおい!なんかすっごい不自然だよ開発中のロボットみたいな喋り方しちゃったよ!うわーあってなんか最後のほうとか声ちょっと小さくなっちゃったしなんだよばかー!ごめんなさい神様、三十五人の神様訂正です!どうか十分間だけ普通の顔と声でいさせてくださいすみません追加注文なんてほんとわかってます!お米を残した分際でこんなこと言うなんて図々しいにもほどがありますよねもうあれですよね!迷惑人間ジャジャジャーンて感じでうおーとにかくごめんなさい!しかもなんだよ今からどこかへなんだか戦争みたいなところに行く人に体に気をつけてねってよくわかんないよでも何て言えばいいの?わかんないよだって私今までそんな男の人いや、女の人にもだけどさ、まあとにかくそういう人にあったことなかったんだもん。ごめんね雲雀くん私ばかだから何て言えばいいのかわからないし、泣いたほうがいいのか泣かないほうがいいのかっていうかもうどういう顔すればいいかもわからないのごめんね。でもやっぱりあんまり余計なものだすのもアレだし泣くのはとりあえずしないね、こういうときはどうしてらいいのかな雲雀くんがサトラレだったらあたし雲雀くんのこと全部知って雲雀くんがして欲しいようにするよ、本当に!、あ、でも、雲雀くんの考えてる事、私以外の人に知られたくないなあ、なんてうわーうわーごめんなさい!




「ほんと、ごめんね、あの、」

「何が?どうして謝るの?」

「だって、あの、わたし、すごいばかで、こういうときどういう顔して何て言えばいいのかわからないから、ごめんね、」

「思った通りに言ってくれればいいよ。」





雲雀くんはやっぱり優しくて、うん、そりゃもう優しくてやっぱり大好きだよ雲雀くん。雲雀くんはこんなに私に優しくて多分、(いやきっと、)これ以上にないくらいに今の私にぴったしな言葉をくれたのに私はなにもいえな言えなくて、「あのー、」とか「う、」とか、かえるが踏みつけられたような声しか出ないんだ。ほんと、頭が悪いって最低、




「あ、あの、ね、えっと、」

「うん、」

「どうしよう、うまく言えない、ごめんね、本当に、」

「いいよ。いくらでも待ってあげる。謝らないで。」




「う、」思わずまた声を出してしまった。雲雀くん、どうしてそんなに優しいの君は。私もう嬉しくて嬉しくて泣きたくないって三十五人もの神様にまでお願いしたのに全然ダメ。すごく体の芯がじんじんして、私の手と足は棒みたいになって心臓がばくばくゆってる。雲雀くん、ごめんね、私が言いたい事いま、ちゃんと言うから、ちゃんと一番上手に雲雀くんに言うから、うん、えっと、そう、あれ、え、あれ?ねえ私が言いたかったのって   な   に  、 ?




「あのね、」

「うん。」




そうだこれだ、私がとにかく言いたい事は、うまく言うのは諦めた。私、うまく言葉を使えないから、だから一番綺麗に、余計なものをつけずに言うからね、







「絶対に帰ってきてね。」







雲雀くん、お願いだから絶対に帰ってきてね、約束して。お願い。何が何でもがむしゃらでもいいから自分を大事にして私とまたお茶を飲んでください。そしたらきっと私は喜んでホッとして、ねえ、お願い、気をつけなくてもいいから絶対帰ってきて、わたし愛してる君のこと、愛してる、だから、私のところへ帰ってきて、






「うん。」





雲雀くん、雲雀くんの「うん。」はいつも絶対だから私今日も信じるよ。わかってる。だって雲雀くんは風紀委員長だもんね、並盛中1喧嘩が強いんだもんね。私、心底信用してるんだから、だから最後にもういっこだけ言うね、









いってらっしゃい


060928(あなたのためならなんでもできちゃうよきっと)