がちゃり。ドアの開く音と一緒に銀ちゃんの匂いがした。(わ、なんか変態みたい)

ドアの向うには六畳くらいの日当たりのいい部屋が広がっていて、部屋の壁には大き目の出窓。
そこに白いブラインドがしてあって眩しい光がチラチラ見えていた。
すこしムッとした空気がきた。暑、い・・







「その辺テキトーに座っていーよ。」

「おー。」





「おー」なんて言いながらも初めて見る男の子の部屋というものが珍しくて珍しくて部屋をキョロキョロ見回してしまう。
わー!意外と綺麗じゃーん!綺麗じゃーん!お!あのベットの下とかに噂のハレンチ本があったりするのかしら・・・!
あ!机の上汚い!教科書がめっちゃくちゃ山積みだ!わっ!あれは・・・


「ちょっとーあんまり見んなよ。恥ずかしいじゃないのさ。」


そんな銀ちゃんの一言でぐるんぐるん動いてた視界はぴたっと止まった。
(さっさと座っとけ。)そーいって銀ちゃんはドスンと床に座ってしまった。
とりあえずあたしも(はーい)だなんて適当に答えて少しはなれた銀ちゃんの向かい側の床にぺたりと座ってみた。



(・・・・・・・・・)(・・・・・・・・・)




えーとえーと。あれ?なんだっけ?あたし達こんなんだったっけ?もっといっぱいゲラゲラ笑うような感じだよね?




「・・・あ、銀ちゃん、」

「あー?」

「あの、この前言ってたやつ、あの雑誌見せて!」

「あーはいはい。」



「あれね、」とか言いながら銀ちゃんはよっこらせと立ち上がって本棚みたいな所をがさがさ漁って奥のほうから
少し角の曲がった雑誌を取り出しておらよっ!とポイと投げてきた。



「わ、ありがと。」

「おー。それよォ、最後の方にお前が好きなバンド載ってたぞ。」

「お!マジか!」





























(・・・・・・・・)

(・・・・・・・・)

(・・・・・・・・)

(・・・・・・・・・・・・・気まずい...)



部屋の中に光がキラキラとブラインドから入ってきて眩しい。
外からは小学生かな・・・こどもの声がワーて聞こえてくる。
それからミンミン蝉が鳴いている。みんみん。


こんなことまで聞こえちゃうくらいこの部屋は静かだ。気まずい。



あれ?うーんと、えーとえーと・・・・これなんだ?もしかして緊張ってやつなのか?
え?うそ?初めてだよ、銀ちゃんとふたりで緊張してるの・・・
だって付き合い始めたのも友達の延長みたいだし、始めてちゅーしたのもなんか、なんか普通に
(あれ!しちゃったね)みたいなノリだったからね!うん!
ちらりと銀ちゃんを見るとボーと雑誌を見ていた。(あ、あれ先月の)


うーん、うーんうーんうーん......




なんかなんかなんかなんかなんかは話さなきゃ話さなきゃ・・・



なんか、




なんか、



なん、か・・・・・・・・・・







「ぎ、銀ちゃん、」

「んー?」

「ほ・・・・・んだな見ていい?(詰まった!)(恥ずかし!)」


ぐるぐるぐるぐる考えてやっと思いついたのがコレとはなんとも悲しい。


「どーぞー」

「どうもどうも。」


よいしょと立ち上がって銀ちゃんの後ろにある本棚に向かう。
それから本棚を適当に物色する。左側には銀ちゃんが座ってる。ドキドキ。
あ、この雑誌買ってるんだ・・・お、単語帳。(勉強してんのかな?)
あの雑誌、奥のほうだ、えーと、取れない、お目当ての雑誌は他の本の間にキツく挟まっていて中々取れない。

ん、も、もう少し・・・!もーすこ、







バサバサバサバサーーーーッ!!







「あ!」

「うお!」


わ!わ!わ!無理やり雑誌を引っ張ったせいで一気に雑誌やら辞書やらが落ちてきた!
銀ちゃんの頭上に!(おいおいおーい!!や、やばいだろ!)
急いで受け止めようと焦りまくって雑誌やらなんやら落下してきたものを追いかけるけど受け止めきれない・・・!
わ、わ、わーーーーーーーーーーーーーーーー!












「ッてえー・・・」

「ご、ごめ、ごめん・・・・」

「おめー俺になんか恨みでもあんのかよ・・・」

「ち、違いま、・・・」









わ、って気がついたら銀ちゃんの顔は思いのほか近くて、近くて、









、」










キス、するなぁ、っていう雰囲気だった。

























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な、なんて稚拙な文・・・・!!


06.2.8